組織再編税制とは、企業が経営戦略上の理由から、事業の分割・合併・譲渡などを行う場合に適用される税制です。具体的には、株式会社法上の「合併」「株式交換による吸収合併」「会社分割」などの手続きに基づき、会社の組織を再編成することによって、一定の税制上の優遇措置を受けることができます。

組織再編税制の主な優遇措置は、以下のようなものがあります。

・税制上の損失繰越
合併などによって得た被合併会社の欠損金を、一定期間内に繰り越して利用することができます。

・簿価による資産引継ぎ
組織再編に伴い譲渡される資産について、時価に応じた評価を行わず、簿価で評価することができます。

・譲渡所得の繰延べ
組織再編に伴う株式譲渡や事業譲渡などによって生じる所得について、一定の要件を満たす場合には繰延べ扱いとなります。

組織再編税制の適用には、一定の要件があります。
具体的には、再編前後の事業内容が関連性を持っていることや、株式交換比率が適正であることなどが挙げられます。

また、組織再編に伴い、関係する企業や株主、従業員などにも影響が及ぶことから、税務上の処理に加え、法的・契約上の手続きやコミュニケーションなども重要になってきます。